木材防腐処理の色々な種類(①注入処理と②塗布処理)

一般的に木材を屋外で使用する際、防腐処理を施します。その方法はおおまかに二通りあり、一つ目が①注入処理で二つ目が②塗布処理です。その方法と種類について簡単にご説明いたします。

①注入処理・・・代表的な注入処理5種類を説明しています。

特殊な機械(圧力釜のような物)を用いて強制的に薬液を木材中に注入する方法です。
防腐注入処理は、JIS A 9002「木質材料の加圧式防腐処理方法」 に基づき行います。

CUAZとは

弊社が主に土木製品・造庭園資材および景観製品に使用しているのが、有効成分名『CuAz』 です。
銅・アゾール化合物系の木材防腐剤で、銅が配合されているため淡緑色に着色されてしまいます。よく木製の柵などで頭の部分や土に接している部分に銅板が施されているのは、銅の成分は腐朽に強いからです。アゾールには殺虫・殺菌効果があります。
現在、安全性の高い低毒性の環境配慮型防腐剤として広く普及している薬剤のひとつです。

ACQとは

アンモニア・無機銅塩および4級アンモニウム塩化合物系の木材防腐剤です。AACが土中で効果が劣る事を改善するために銅を混入してあるものです。そのため木材は淡緑色に着色されます。
CuAzと同等薬剤で、同じく安全性の高い低毒性の環境配慮型防腐剤として広く普及している薬剤のひとつです。

AACとは

アルキルアンモニウム化合物系の木材防腐剤で、約20種類のAAC類の防腐効力が確かめられていますが、よく使われるのは、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド(DDAC)やアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム)です。元々は殺菌剤で、現在も消毒液として使われています。
初期の防腐防蟻効果は高いのですが、土中や地際・水際では防腐効果が劣ります。溶液は透明で木材を着色しません。

AZNとは

アゾール・ネオニコチノイド化合物系の木材防腐剤です。上に挙げた3種類は水溶液に木材を含浸および加圧するいわば湿式注入法ですが、AZNは溶媒に水を使用しない乾式注入法です。湿式注入では薬剤の水溶液を注入することで、材が膨張し又その後の乾燥の過程で寸法が変化することがありますが、乾式注入だと水を使わないため寸法の変化がありません。この為、建築用途の材料の注入に利用されるケースが多いようです。
注入による木材への着色はありませんが、処理工程の中で電極盤を用いるため、含水率が高いと焦げた様になる事があるそうです。

酸化亜鉛含浸処理(モックル処理)とは・・・・当社がお勧めする注入処理です

当社がお勧めする注入処理です!!
これまでに挙げた(CUAZ/ACQ/AAC/AZN)と大きく異なるのは、他処理は基本的に配合されている殺虫成分等で腐朽菌や白ありを撃退して木を腐らせないのに対し、酸化亜鉛含浸処理(モックル処理)は殺虫成分等を全く含まない薬剤を使用。完全無毒・無害の木材防腐技術であると言う点です。
それではどのようにして、シロアリ等から身を守り腐らずにいられるのでしょうか?

先ずは、酸化亜鉛含浸処理(モックル処理)に使われている無毒・無害の主成分を挙げてみます

①有機酸亜鉛・・・防腐・防蟻効果
②ポリエチレングリコール(PEG)・・・寸法安定効果

①有機酸亜鉛の身近な使用例としてベビーパウダー、②PEGは保湿クリームなどが挙げられます。亜鉛はサプリメントでもおなじみの人体にとっての必須元素です。

処理工程は、木材に加圧注入し養生するところまでは、他の処理と同じですが、その後70~80℃で熱処理を行います。すると、木材に浸透した薬剤が樹脂化します。分かり易く言えば固まります。細胞の周りで薬剤が固まる事で、酸化亜鉛含浸処理(モックル処理)された木はシロアリにとって見た目は木であっても食べたいと感じない木に変化するのです。このような事から酸化亜鉛含浸処理(モックル処理)された木を改質木材とも呼んでいます。元々非常に親水性のある薬剤も、一旦樹脂化(硬化)してしまえば再び水に溶け出る事がないため、その効力を長く発揮し続ける事になります。設置周辺の土壌や水質を汚染することもありません。

その効果は使用実績が証明しています。例を挙げると、平成元年(1988年)に架けられた木橋も安全に使用されているのです。実に防腐実績22年を更新ということになります。(平成23年1月現在)
先程から薬剤を樹脂化する(固める)と言っていますので、何かカチカチのプラスチックのような物に変化すると想像されるかと思いますが、細胞壁を取り巻き固まる為、木肌の風合い、柔らかさもそのままです。酸化亜鉛含浸処理(モックル処理)された木材は高耐久性能と同時に、呼吸もし、調湿効果も損なわず、本来の素材感を損なうことの無い唯一の防腐技術なのです。

②塗布処理 ・・・一般的な2種類を説明しています。

薬剤を刷毛などで塗り、保護する方法です。よく、塗るだけで注入処理と同じ効果を期待されるようなお問合せがございますが、やはり表面塗装となり薬剤が内部にまで浸透しない為、注入処理に比べると防腐効果はあまり期待出来ません。
まめなメンテナンスが必要になります。
一年一回くらいのペースで薬剤の上塗りをお勧めします。

キシラデコール(XYLADECOR) ・・ホームセンターで市販されています

木目を生かした自然な仕上がりで、色持ちもよく耐候性も良い。防腐・防カビ・防虫効果も有り。通気性を損なわない浸透タイプ。カラーバリエーションも豊富(ウォルナット スプルース オリーブ マホガニ タンネングリーン他)

ノンロット ・・・・・・ホームセンターで市販されています

  • ノンロット(屋外用・油性)
    超撥水性で高い耐久性。
  • トンロットクリーン(屋内用・油性)
    ホルマリン トルエン キシレン、防虫などの薬剤を含みません。塗膜を作らず、乾燥後は木の香りが匂い立ちます。
    上記2種類の塗布処理の場合、まめなメンテナンス(上塗り)で耐久性を延ばしてください。


    以下、余談です。。。長い説明を読んで頂き感謝です。何となくモックル処理はその他の木材防腐技術とは異なる事がお分かりいただけたでしょうか?宮崎ミロク協同組合では、毎月1回宮崎市内又は県北で理事会を行っております。理事会後の席上に酸化亜鉛含浸処理(モックル処理)に興味のある方をお招きして、楽しい食事と共に熱く木材の展望を語り合っております。木を積極的に屋内外で使うことにご賛同頂ける方ならどなたでも歓迎です。一度楽しいメンバーとおいしいお酒を飲みながら熱く語りませんか?私以外は木材のスペシャリスト揃いの集団です・・・

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